「参考」

EXCEL VBAのE-ラーニングについて

1. なぜ、今さらEXCEL VBAなのか

 表計算ソフトのEXCELは、経済活動の中に深く入り込んでおり、小さな土木工事の現場事務所のPCの中にも、必ずと言っていいほどにEXCELが入っています。そこにいる土木技術者は、EXCELを使って品質管理の表を作成したり、安全管理の文書なども作成しています。まさに、小学生が持つ鉛筆と消しゴムのような、技術者にとっては身近なツールであり、かつ必要不可欠なものになっています。
 このように、土木技術者にとって身近で不可欠なツールとなっているEXCELには、VBAを使ってマクロを作成することができます。追加の費用や手間をかけないで、様々な機能を付加させることができます。VBAの知識を持つ技術者が増えることは、企業側にとっては生産性向上に寄与する人材が確保しやすくなり、研究者にとってはシミュレーションなどにVBAを気楽に使うこともできます。学生から社会人まで、長く付き合うことのできる知識といえます。しかも、VBAに関する情報はWEB上に豊富であり、自ら学習する上においても、十分なインフラが整っています。

2. 大学で学習すべきプログラミング技術とは

 昨今のプログラミング教育の重要性が話題になっている中で、大学で学習すべきプログラミング言語は、汎用性の高いFortranなどが推奨されるのは当然と考えられます。しかし、その一方で、将来的にFortranを使う職場に進む学生の割合は非常に少なく、教育効果という観点からは、ちょっと残念な状況にあるように思います。
そこで、基本的な工学分野の知識を学習する学部の学生は、これまで通りのプログラミング教育で良いとしても、修士学生以上で、かつ将来プログラミングを専門とすることを考えている学生以外は、より実務にスムーズにつながる、EXCEL VBAの知識を習得することは、将来を考えた場合にも有利であることは、間違いありません。しかも、EXCEL VBAが大学の中で行う自身の研究にも役立つ場合には、大変有利な知識と言えます。

3. 学生の学習機会

 学内での教育では、一企業の製品と強くつながっているプログラミング言語であるEXCEL VBAを教えるには抵抗が大きいと思われます。そこで、全ての学生に対して機会均等な学習機会が学外において存在して、教授の推薦の元に学生が自主的に学習できれば、インターンシップで得られる知識と同様に、実務に近い知識が得られ、学生のキャリアアップのために大変有効なものと考えられます。